■切らない内痔核、脱肛手術
■おしりのなやみ
■脱肛・内痔核について
■直腸脱について


当院では新しい注射療法(切らない治療)“ジオン”を使用することを許可された施設です。
ジオンは発売間もない新しい治療薬で、研修を積んだ専門医でなければ使用が認められません。
当院では3名の大腸肛門病学会指導医でありジオン注射を使用することが許可された専門医が在籍しております。

詳しくは外科までお問い合わせください。

ジオン(三菱ウェルファーマ)
2005年に認可されたZioneは全く新しい内痔核治療剤です。今まで手術でしか直らなかったU°、V°の痔核に対して術後の痛みがほとんどなく治療することができるようになりました。

日本大腸肛門病学会

肛門科に訪れる方は、痛い、出血する、脱肛する(出る)などの症状を訴えてこられる方が大半です。
しかし、この原因は単に”痔”と言うにはさまざまな原因にわかれてますので、それに合った治療をおこなわなければなりません。特に”痛い”という場合、簡単な処置でウソのように痛みがひいてしまう疾患もいろいろあります。

代表的な肛門疾患について紹介します。

一般にお尻のおできとして、肛門科に飛び込んできます。肛門の周囲に痛みを伴った固いしこりを広範囲に作ります。
肛門で粘液を分泌する肛門腺に細菌が進入して”膿”を作っておきます。ひどい場合には高熱を発して、敗血症を引き起こします。細菌の種類によってはガス壊疽をおこして、死亡することもあります。
直ちに切開を加えて膿を排出することにより急速に症状は消退しますが、そのうちの何割かは”痔瘻”となり、常に感染が持続するようになります。
複雑な出来方をしたものは切開をおこなうにも腰椎麻酔を必要とすることもあります。

外来でもっとも多く見られる疾患です。患者さんはお尻が痛い、ものができて飛び出していると表現することが多く見られます。
この疾患は肛門の辺縁に生じる外痔静脈に血栓を生じておきるもので、局所麻酔下に小切開をおき血栓を摘除することにより症状は急速に改善します。我慢しても、いずれは痛みが収まっていくもので生命に影響はありませんが、血栓をとってしまった方が、圧倒的に早く痛みが消えます。

固い便が、肛門を繰り返し通過することにより、慢性潰瘍が肛門にできた状態です。
痛いが故に、肛門括約筋の緊張が高くなり、そのために排便時の肛門を強く閉めてしまうことの繰り返しにより生じます。
基本的に、座薬による治療が選択されますが、難治例に対しては手術治療を選びます。
前の二つの疾患は排便時の出血を伴わないことが多いですが、この疾患は大量ではありませんが、出血を伴うことが多く見られます。

おしりから中の粘膜が外に出てくる、おしりにかたまりが出てきて指でおしこんでいるなどの症状です。

肛門近くの静脈のかたまりが垂れ下がってきて、肛門外に脱出してきたものです。
代表的な治療法には
@結紮切除術(外科手術)
APPH(自動吻合器を用いた外科手術)
B輪ゴムによる静脈瘤結紮術
C旧来の注射療法(パオスクレーなど)
D新しい内痔核硬化療法"Zione"が挙げられます。

当院では、いずれの治療についても治療実績がありますが、現在最も多く行っているのは、@結紮切除とDZionです。それぞれの治療にはすべて利点・欠点が存在し、病変の状態によって治療法を決定する必要があります。外来にてご相談下さい。

高齢の方の場合、直腸の支持組織の変化により直腸が同じ円状に脱出してくることがあります。脱肛と間違えられることが多いので、外来で治療を受けてみてください。
治療法は基本的には手術になります。


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